ETLツールの機能を徹底解説！ETLでデータ分析はどう変わる？

ETLとは、ビジネスで扱う様々なデータを処理できるツールです。ETLの機能を使うと、異なる形式のデータを活用しやすい形に変換できます。
この記事では、ETLの機能や導入によるメリット、データ分析にETLを使う方法などを解説します。ETLの機能について詳しく知り、業務効率化に役立てたい方はぜひ参考にしてください。

ETLの基本機能

ETLには次に挙げる3つの基本機能が備わっています。

抽出（Extract）

ETLツールでは、複数のデータソースから必要なデータを抽出することが可能です。ビジネスで使用しているソフトウェアやクラウド上のストレージなど、様々なシステムからデータを抽出できます。

変換（Transform）

ETLの2つ目の機能は、抽出したデータを変換する機能です。変換機能により、データをより扱いやすい形式に加工できます。例えば、データ中に含まれる誤記を修正したり、異なる表記を統一したりすることが可能です。拡張子の変更や、複数データの分割・統合などの処理も変換機能に含まれます。

格納（Load）

ETLの3つ目の機能は、変換したデータをデータベースに格納する機能です。データベースだけでなく、BIツールなどのシステムにデータを送信することもできます。

ETLでデータ処理は何が変わるのか？

ETLツールを導入すると、データの抽出や変換などの工程を自動化できることがポイントです。手動では難しかったような膨大な量のデータ処理であっても、ETLなら問題なく実行できます。

また、ETLツールでは、データ処理を行う際にプログラミングの必要がありません。一般的に、データベースから情報を抽出したり、大量のデータを変換したりするためにはプログラムが必要です。しかし、ほとんどのETLツールはノーコードで操作できるため、エンジニア以外の方でもデータ処理が行えます。

また、データベースに格納する前に変換処理を行うため、個人情報などの機密データを扱いやすくなることもETLの特徴です。ETLツールの導入により、機密性の高い情報だけを取り除いたり、隠したりした状態でデータを扱えるようになります。

ETLがもたらすコスト削減と業務効率化

ETLが企業にもたらす主なメリットは次の通りです。

コスト削減

ETLツールを導入すると、プログラム開発に必要なコストを削減できます。データ処理を行うための専用プログラムを自社開発する場合、開発工数に応じた人件費が必要です。ETLツールを活用すれば、余計なコストを削減することが可能です。

業務効率化

ETLツールは、業務効率化にも役立ちます。社内で複数のシステムを使用していたり、部門によって異なる形式でデータを扱っていたりすると、スムーズに情報共有できないこともあります。

ETLツールを使うと、社内で扱うデータの形式を統合できるため、システムやデータ形式の違いによるトラブルの防止が可能です。余計な対応に時間を取られることなく、より生産的な業務に集中できます。

ETLの機能でデータ分析を最大化

ETLとBIツールの機能を活用すると、ビジネスに関するデータを分析し、経営施策に役立てることが可能です。

BIツールには、入力したデータを基にレポートを作成したり、シミュレーションを作成したりする機能が備わっています。BIツールに入力できるデータは、商品の販売履歴や顧客情報、営業に関する情報など様々です。ただし、いずれのデータもBIツールに入力できる形式に変換しておく必要があります。

ETLを使えば、BIツールで分析しやすい形式にデータを整えることが可能です。ETLは大量のデータを高速で処理できるため、BIツールと組み合わせて使うと分析できるデータの幅が広がります。

ETLはDX・デジタル化に必要不可欠なツール

デジタル技術を用いてビジネスを変革することを意味する「DX（デジタルトランスフォーメーション、Digital Transformation）」やデジタル化は、企業の競争力を高めるために取り組むべき施策です。ビジネスで取り扱う様々なデータを連携し、DXやデジタル化を推進するには、ETLツールが役立ちます。

オンプレミス型のサービスやクラウドサービス、データウェアハウスなど、各システムを個別に使用しているだけでは十分な効果が得られません。ETLで各システムのデータを統合することが、業務効率化やビジネス施策の改善に繋がります。

まとめ

ETLの機能を使えば、ビジネスにおける様々なデータを統合することが可能です。ETLツールで抽出・変換したデータをBIツールに入力すれば、ビジネスに役立つ知見が得られます。また、異なるシステム間でデータを統合し、業務を効率化できることもETLのメリットです。

ETLを利用する場合、データ処理やプログラミングに関する専門知識は必要ありません。また、システム開発にかかるコストも削減できます。データを活用し自社の競争力を高めたい場合は、ETLの機能を活用してみてはいかがでしょうか。